2016.11.17

<喫煙とがん ①> 喫煙はがん全般のリスクを高める。要するに「肺がん」だけではないのだ。たばこの煙に含まれる物質がDNAを傷つけることが原因となる。


<喫煙とがん ②> 国際チームが千人以上の肺がん患者で調べると、傷にあたる突然変異の数は喫煙量が多いほど増え、毎日1箱のたばこを1年間吸うと肺の1細胞あたり150個の突然変異が蓄積すると推定された。


<喫煙とがん ③> 変異のすべてが、がんに結びつくわけではない。ヒトのDNAは30億の塩基対からなるが、たんぱく質を作る指令を出す「遺伝子」にあたる部分は数%。大部分は傷ついても何も起こらない。細胞分裂の制御にかかわる重要な遺伝子、それも複数に変異が入ってがん化が始まる。

 

<喫煙とがん ④> たばこによる150個の変異は全DNAを調べたもので、遺伝子の変異に限れば多くても数個だろうといわれる。体にはDNAの傷の修復や、異常な細胞を排除する仕組みもあるが、それらを逃れた細胞で変異は蓄積していく。

 

 

<喫煙とがん ⑤> がんの種類や患者によるが、大人のがん細胞には数十~百個以上の遺伝子に変異があるという。がんは遺伝子の病気なのだ。