非定型抗酸菌症(肺MAC症)

非結核性抗酸菌症

http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000266.html

・非結核性抗酸菌は結核菌と同じ抗酸菌に属するが、結核菌ではない。

そのため非結核性抗酸菌(抗酸菌であるが結核に非ず)、英語ではnon-tuberculous mycobacteria (略してNTM:エヌティーエム)と呼ばれる。

NTMは土壌、水系、食物、動物(家畜を含む)などに生息している。

現在、約150種類が知られており、そのうち我が国で人に病気を起す主な菌は約10種類。

 

・感染系路としてNTMの吸入による呼吸器系からの感染と、NTMを含む水や食物を介する消化器系からの感染があると言われている。

 

・NTMは結核菌と異なり人から人へ感染しない。

 

・肺疾患としては、我が国ではMycobacterium avium complex(略してMAC:マック)菌による肺MAC症が約70%、Mycobacterium kansasii(カンサシ)によるものが約20%。

肺カンサシ症は結核と区別のつかないことも多いが、特に増加傾向はなく治療によく反応する。一方我が国で最も患者数の多いMAC菌による肺感染症(肺MAC症:肺マック症)は増加傾向にある。

特に気管支を中心に病変を作る肺MAC症が中年以降の女性に増えているが、最近若年者にも見つかっている。

 

・臨床症状(咳、痰、血痰、発熱、など)がなくても、肺MAC症を疑う画像所見があり、MAC菌が検出されれば、肺MAC症と診断する。

(MAC菌は環境にいる菌なので、1回だけでは不十分であり、最低2回菌を見つけることが必要)

女性に急増、肺MAC症 感染源は特定できず

http://qq.kumanichi.com/medical/2008/11/post-169.php

・結核菌は「抗酸菌」と呼ばれる細菌の一種。結核菌以外の抗酸菌が起こす病気を「非結核性抗

 酸菌症」という。日本では、抗酸菌による病気の約三割を非結核性抗酸菌症が占めている。

 

・肺マック症は、その7割から8割に上る。

 アビウム菌とイントラセルラーレ菌という、よく似た2種類の菌が起こす肺の慢性感染症。

 欧米では1980年代後半から増え始め、日本でも77年からの20年間で罹患率が6倍余りに上昇

 した。

 国内の新規患者は年間8千人から1万人とみられている。

 

・肺結核と違い、肺マック症は人から人に直接感染しないのが特徴だ。

 このため、患者を隔離したり、保健所に届けたりする必要はない。

 

・肺マック症は「空洞・破壊型」と「結節・気管支拡張型」の二つに大別される。

 空洞・破壊型はたばこを吸う男性に多く、普通は一~二年で進行し、予後が悪い。

 

・結節・気管支拡張型は全体の8割を占め、緩やかに進行する。

 予後は比較的良好だが、ばらつきが大きく、まれに数年で亡くなる人もいる。

 

・治療はクラリスロマイシンなど抗生物質の投与が基本だ。

 ただし結核のように完治させることは難しい。

 

・結節・気管支拡張型の肺マック症は近年、持病のない中高年の女性に急増している。

 その理由は謎だ。

 菌は水や土の中にすんでいるのだが、患者にどう感染するのかも、よく分かっていない。

非結核性抗酸菌症とはどのような病気?

https://medicalnote.jp/contents/160414-001-GZ

・結核菌以外の抗酸菌による感染症のことを非結核性抗酸菌症といいう。

頻度的には、MAC症(Mycobacterium avium-intracellular)とM.kansasii症の発症が多く、大半を占めている。

結核のようにヒトからヒトへ感染したり、数年で死亡するということはない。

結核が減少しているのとは対照的に発病する人が増加している。

・症状としては、結核と同じく体重が減少する、微熱が出る、血痰が出たりする。

・非結核性抗酸菌症は緩徐に進行する呼吸器感染症で、難治性であるため、患者数は蓄積される傾向にある。

しかし、その実態についてはまだはっきりと解明されていない部分が多い。

 

非結核性抗酸菌症の現状について

https://medicalnote.jp/contents/160414-002-ID

・非結核性抗酸菌症は世界的に増加傾向にある。

特に、日本やアメリカなど結核が減少しつつある国での増加が注目されている。

・非結核性の抗酸菌には多くの種類がありますが、日本国内では、MAC症(Mycobacterium

   avium-intracellular)とM.kansaii症が大半を占めている。その割合は、MAC症が非結核性抗

  酸菌症のおよそ70%を占めており、続くkansasiiと合わせると全体の90%以上を占めている。

・特に最近多くみられるのが、閉経後の女性の発症。

・日本ではMAC症が増加傾向にある。

   MAC症にはavium(アビーム)とintracellulare(イントラセルラーレ)のふたつのタイプがあ

   る。

・それぞれのタイプの割合の比率は、地域によって異なるというのがMAC症の特徴のひとつ。

 

非結核性抗酸菌症の原因について

https://medicalnote.jp/contents/160414-003-MC

・非結核性抗酸菌が多いといわれているのは、日本の場合は水回りで、水道や浴室のシャワーヘ

   ッドなど、ぬめり気のあるところに生息しているといわれている。

 

非結核性抗酸菌症の診断と治療について

https://medicalnote.jp/contents/160414-004-QM

・薬剤による治癒率は非常に低く再発を繰り返す。

・非結核性抗酸菌症の症状には、咳や痰、血痰や喀血、体重減少や全身倦怠感などがあり、結核

   と類似しているが、結核と比べると軽症。

 

非結核性抗酸菌症治療における今後の展望について

https://medicalnote.jp/contents/160414-005-SX

 

非結核性抗酸菌症

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/special/gl2015/201612/549105.html

 

非結核性抗酸菌症 

http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000266.html

 

 


 

 

非結核性(非定型)抗酸菌症

http://www.itorespiclinic.ecnet.jp/sub8-2.htm

・非結核性抗酸菌症(長い間非定型抗酸菌症と呼ばれてきました)は、土壌や水中などの自然環境に広く存在す。

抗酸菌には結核菌・らい菌・非結核性抗酸菌があり、前2者以外の抗酸菌をすべて非結核性抗酸菌症と呼び、次々と新しい菌が見つかっている。

 

・日本で多い菌種は

Mycobacterium avium complex

(アビウムコンプレックス、別名MAC症:マック症): 70%以上

Mycobacterium kansasii 

(カンサシ):10~20%

この2種類で90%以上をしめます。

 

・MAC症は中高年女性に発症することが多く、初期は無症状で、肺の中下肺野に多発性の小結節や気管支拡張像が認められることが多い。

突然血痰が出て、胸部レントゲンで発見されることもある。

 

・症状としては咳・倦怠感、進展すると発熱・体重減少・喀血・息切れが生じることもある。

 

・カンサシは男性に多く、肺の上葉に空洞を生じることが多く、この菌種のみ人から人への感染がありうるかもしれないといわれている。

 

・カンサシは、通常結核菌の治療に使われる薬剤に有効だが3剤を菌陰性化後も1年間投与する必要がある。


・結核菌とらい(癩)菌以外の抗酸菌が肺に感染して起こる病気。

 

・非結核性抗酸菌(NTM)は土や水などの環境中にいる菌で、結核菌とは異なり人から人には感染しない。浴室のシャワーヘッドといった身近な場所にもいる。

 

・菌の種類は150~160種類以上あるが、非結核性肺抗酸菌症の80%がマック(MAC)菌(肺MAC症)で、次に多いカンサシ菌が10%。

 

・女性にやや多く、肺結核が年々減少しているのに対して非結核性肺抗酸菌症は増加。

 

・多くは数年から10年以上かけてゆっくりと進行。

 

・症状がなく、検診の胸部エックス線検査などで発見されることも多い。

 せき、たん、血たん、だるさ、発熱、寝汗、体重減少などが出ることもある。

 

・たんから2回以上(複数回)同じ菌が出ることが診断に必要。

 

・非結核性肺抗酸菌症のうちマック菌が原因と診断されて、症状や肺の影が悪化してくる場合には薬による治療を行う。クラリスロマイシン(CAM)と抗結核薬2種類を毎日内服し、少なくとも1年半(菌が培養されなくなってから1年間)続ける必要がある。

 

・抗生物質には食欲不振などの副作用があり、自覚症状がない人や、高齢の方の場合は経過観察となる。

 

・菌が完全に消えることは稀で、治療終了後も再発しないか定期的に胸部エックス線検査を行い、再発すれば治療を再開。

 

・従来非定型抗酸菌(ATM)症と呼ばれていた病気。

・原因菌は結核菌と同じ抗酸菌の仲間で40種類程あり、まとめてNTM と呼ばれている。

・日本では現在抗酸菌による病気の5 割が結核、残りの5 割がNTM 症となっている。

・NTM 症の80%はMAC(マック)症が、10%はkansasii(カンサシ)症が占めています。

・主に肺に慢性の病気を作り、まれにリンパ節炎や全身感染症が生じる事もある。

・NTM は土・ほこり・水などの自然環境に広く存在しており、だれでも肺の中に吸い込んでいると考えられている。

・結核菌がヒトの体内でしか生存できず、感染源が排菌陽性の患者に限られているのと違い、NTM 症の患者さんから菌が他人に感染する事はない。

・陳旧性結核、じん肺、肺気腫、気管支拡張など肺の中になんらかの傷あとがあるヒトが発病しやすいと考えられています。

・最近、肺の中に特に傷あとのない中年以降の女性に発症する肺マック症が増加しているが、その理由は不明。

・肺カンザシ症は男性の喫煙者に圧倒的に多く、また粉塵吸入の職歴をもっている方が多いのも特徴。

・肺マック症の場合、特に過労や手術後など体の抵抗力が弱った時に症状が出現し診断される事があります。

・他人に感染させる恐れはないので、隔離のための入院は必要ない。

また結核以上に経過がゆっくりしており、年単位でつきあっていく必要がある。

・マック症の場合、結核と比べて薬剤の効果が乏しく、完治できず慢性化する症例が多いのが特徴。

・しかし無治療でも進行しない例や軽快する例が少なからず存在している。

・カンザシ症の場合は結核よりやや劣るものの充分な薬剤効果が期待できる。

・症状やレントゲンや血液検査では基本的に結核と区別できない。

・痰などから菌を検出し、遺伝子を増幅するか、培養後に遺伝子を調べる事で区別する。

・菌量が多い場合11週間程度で区別できる事もあるが、通常は4週から6週間を要する。

・カンザシ症の場合は結核と同様の薬物治療を1 年から1 年半実施する。

軽いマック症の場合、無理しない生活を心掛けるだけで薬剤を投与せずに経過観察することもある。

マック症で症状が強いか進行が速い例では、薬物治療を1.5~2年実施する。

・NTM 症は軽症でも喀血・血痰が生じやすいのが特徴。