胃ポリープ

胃ポリープとは

胃ポリープとは、胃の粘膜上皮に局所的に隆起した病変です。

(上皮性、良性、隆起性病変)

ただし、広義には腺腫、粘膜下腫瘍、癌など胃の中に隆起した病変の総称として使用されることもあります

ポリープには最も多い過形成性ポリープをはじめ、胃底腺ポリープ、特殊なポリープとして腺腫、家族性大腸腺腫症 などがあります。

過形成性ポリープ、胃底腺ポリープ、特殊型(炎症性、症候性、家族性)に分類される場合もあります。

 

過形成性ポリープ:

過形成性ポリープの発生は30歳以上で年代と共に増加する傾向にあり、腸上皮化生(胃がんと非常に関連のある組織)との関連はあまりなく、がん化することはまれ(ただし数%でがん化)です。

高さが高くなり、大きさが増したりして進行していきます。

普通、直径2~3センチどまりです。

赤く、表面にイチゴのような顆粒状の凹凸があります。

出血やびらんも多くみうけられます。

ピロリ菌が陽性の慢性胃炎の方に出来るポリープです。

このポリープは大きくなって、出血して貧血の原因になることがあります。

一方で、ピロリ菌を除菌する事により7割が縮小、消失するというデータがあり、まずはピロリ菌の治療が行われます。

いずれにしてもピロリ菌の除菌は推奨されます。

基本的には経過観察でよい病変です。

まずは大きさ2cm以上で増大傾向、がん化の可能性、出血のあるものは内視鏡的切除(ポリペクトミー)の適応です。

まとめると、「ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)陽性(感染している)で萎縮性胃炎を背景に様々な病変を併発する」ということになります。

 

胃底腺ポリープ:

胃底腺ポリープは、胃底腺の粘膜に発生し、数個以上発生します。

30~50代の女性に多く、胃底腺の粘膜は萎縮せず、状態が良好なことが特徴です。

粘膜の変化は、胃の大彎曲を中心とした胃壁に多く見られます。

数ミリ程度の半球状のポリープで、表面は滑らかで、特に色の変化はなく、多発します。

 

一番多く見えられるパターンのポリープです。

色は肌色で、周りの胃粘膜と同じ色をしています。

ピロリ菌が感染していない、きれいな胃にできます。

原因は諸説あるようですが詳しくは分かっていません。

ただ、このポリープはがん化しないため、放置しておきます。

よく「良性のポリープ」と言われます。

 

まとめると、「胃底腺ポリープはH.pylori陰性で病的意義のない所見であること」ということになります。

「過形成性ポリープは悪玉、胃底腺ポリープは善玉」ということです。

今後、H.pylori陰性者や胃食道逆流症(GERD)などでプロトンポンプ阻害薬の服用者が増加すると、胃底腺ポリープに遭遇する機会も増加することが予想されます。

 

腺腫性ポリープ:

腺腫は、高齢者で腸上皮化生 をもつ、かなり萎縮した粘膜にみられます。

男性に多く男女比は4:1です。

高齢者の萎縮性粘膜にみられ、形はドーム型、平たいもの、花壇状など様々です。

灰白色で整った凹凸があります。

これはそれほど多くは認めませんが、前がん病変と考えられ、がん化するリスクが極めて高いポリープです。

主にピロリ菌感染して、胃炎が強い患者さんに認められます。

この腺腫は、胃がんリスクが高いため、大きな病院で内視鏡的切除されます。

 

参考・引用

胃ポリープ

http://www.onaka-kenko.com/various-illnesses/stomach/stomach_02.html

 

胃ポリープについて、過形成性ポリープと胃底腺ポリープの違いは何ですか?

http://www.jges.net/faq/faq_answer04.html