なぜ足の手入れが必要か
糖尿病と足は、意外なほど強い関係があります。
普通、日常生活で足に気を使うことはほとんどありませんが、糖尿病があると足の手入れが非常に重要になります。
糖尿病で血糖値が高い状態が続くと、神経障害のほかに動脈硬化などによる血液障害が起こりやすく、また細菌や真菌(みず虫)などの感染に対する抵抗力が低下します。
神経障害があると痛みを感じにくいため、ケガやヤケドに気付きにくく、つい放置しがちですさらに、動脈硬化などが進行し血液障害が起きると、からだの末端、特に足の先などには血液が流れにくくなり、細胞が必要とする栄養や酸素が、十分に行きません。
そして、からだの抵抗力の低下により、傷口が化膿しやすくなったり、傷の治りも遅くなります。
これらのことは、もちろんからだ全体にあてはまることです。
しかし、足は神経や血管の末端なので、神経障害、血液障害が起こりやすく、日常
生活では、手先などに比べて目にふれる機会が少ないことから、糖尿病の人は特に足の手入れに配慮が必要です。
参考
糖尿病セミナー 「足の手入れ」 三和化学研究所パンフ
足を守るためには足をよく観察する
足の病気で困らないようにするには、予防が一番です。
次のような点に日ごろから気をつけましょう。
1. 毎日こまめに足のチェックを
寝る前などに、毎日明るい場所で足をよくみましょう。
足の裏側は手鏡にうつしてみたり、目の悪い方は、周りの人にみてもらいましょ
う。
2. 入浴時のポイント
おふろに入るときは、次のような点に注意しましょう。
① 湯ぶねに入る前には、必ず手で湯加減を確かめる。
神経障害があると足は熱さに鈍くなっていて、熱い湯でも気付かずにヤケドを
すことも
② やわらかいタオルやスポンジで、足の裏や指の間もていねいに洗う
③ 足がふやけるほどの長風呂はダメ。
ふやけた皮膚は傷つきやすい。
3. 爪の手入れも大切
神経障害が進んでいると、爪が伸びていたり割れていたり、さらには巻き爪でく
いこんでいても、違和感や痛みを感じません。
のびた爪はケガのもとなので、こまめに手入れをしましょう。
硬くて切りにくい爪は、無理に自分で切らずに医師に処置してもらいましょう。
また、深爪をしないように注意が必要です。