糖尿病
糖尿病には2つの原因があります。
1つはインスリンの働きが悪くなる「インスリン抵抗性」、もう1つが「インスリン
分泌の低下」です。
両者が重なり合って糖尿病が発症します。
糖尿病とは インスリンが慟かず血液中のブドウ糖が増加する
糖尿病の「糖」とは体内のブドウ糖のことです。
ブドウ糖は血液によって全身に運ばれ、さまざまな細胞に取り込まれて、エネルギー源として使われています。
食事をして血液中のブドウ糖が増えると、ブドウ糖は肝臓、筋肉、脂肪組織に取り込まれます。
その結果、血液中のブドウ糖は減り、食事前の状態に戻ります。
このとき血液中に増えたブドウ糖を調節しているのが、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンです。
インスリンが働くことで、肝臓、筋肉、脂肪組織は、血液中のブドウ糖を取り込み、エネルギー源として蓄えることができます。
糖尿病のある人は、インスリンの働く仕組みがうまく機能していないため、血液中のブドウ糖が、肝臓などに十分に取り込まれず、血液中に増えてしまいます。
この血液中のブドウ糖が血糖で、その濃度が血糖値です。
糖尿病では、血糖値が異常に高くなってしまいます。
糖尿病の原因① 肥満が原因でインスリンの働きが悪くなる
■インスリン抵抗性
細胞は血液からブドウ糖を取り込みますが、このときインスリンは、細胞のドアを開ける働きをし、細胞はブドウ糖を取り込むことができます。
ところが、肥満がある人では、肥大した脂肪細胞からさまざまな悪い物質が分泌され、ドアを開きにくくしてしまいます。
こうなると、インスリンがあってもドアはなかなか開かず、血液中にブドウ糖が多い状態が続いてしまいます。
これがインスリン抵抗性による糖尿病です。
■特に気をつけたいのは内臓脂肪
肥満には、皮下脂肪が増えるタイプ(皮下脂助祭肥満)と、内臓脂肪が増えておなか周りが太くなるタイプ(内臓脂肪型肥満)があります。
インスリン抵抗性の原因になりやすいのは、内臓脂肪型肥満のほうです。
糖尿病の原因② 遺伝的体質や加齢など肥満以外の原因も
もうIつの原因は、インスリン分泌の低下です。
インスリンの分泌量が少なかったり、分泌されるタイミングが遅かったりすることが、原因になります。
インスリンの量が足りないと、細胞のドアが開かないため、血液中のブドウ糖が多くなってしまいます。
分泌されるタイミングが遅くても、ブドウ糖が増えたときに細胞のドアを開けられず、血液中のブドウ糖が増えてしまいます。
インスリン分泌の低下は、遺伝的な体質と考えられています。
インスリンを分泌する能力が生まれつき低い人がいるのです。
また、インスリンを分泌する能力は、年をとることでも低下します。
■2つの原因が重なって発症する
糖尿病の原因には、インスリン抵抗性とインスリン分泌の低下の2つがあります。
実際の患者さんは、この2つの要因が重なり、糖尿病が起きているのです。
参考
きょうの健康 2016.6