高血圧について、また高血圧という状態について正しく知っておくことが、高血圧の予防対策を始めるにあたって大切です。


・「血圧」とは、体内をめぐる血液が血管に与える力

血液は、心臓によって全身に送り出され、生命を維持するために必要な酸素や栄養素を

全身に運び、また老廃物や二酸化炭素などを回収する役割を担っています。

血液が体内をめぐるとき、血管の壁に圧力が加わります。

これが「血圧]です。


・上の血庄・下の血注 

心臓は、血液を送り出すために、収縮と拡張を繰り返すポンプの役割を果たしています。

心臓がぎゅっと収縮して血液を送り出すときの血圧(収縮期血圧)を一般に「最高血圧」

あるいは「上の血圧」、また全身をめぐった血液が心臓にもどり、心臓が拡張したときの

血圧(拡張則血圧)を一般に「最低血圧」あるいは「下の血圧」といいます。



・上の血庄140mmHg・下の血圧90mmHg以上なら「高血圧」

日本の基準では、高血圧を、軽症から重症まで3段階に分けています。

また正常血圧も3段階に分けて、自分の血圧がどの段階にあるかがわかりやすいようになっています。


・高血圧はなぜこわい?

たとえ高血圧であっても、ほとんどの場合、特別な自覚症状は現れません。

ところが、特別な症状がないからと放置しておくと、高い血圧により全身の血管が障害を受けます。

特に脳血管の障害により、運動麻庫や言語障害の原因となる脳卒中が引き起こされま

す。

合併症である脳卒中は日本人において高血圧により起こりやすいことが知られています。また、心臓では心筋梗塞や心不全、また腎臓では腎不全などの原因となります。

これらの合併症にもよりますが、高血圧の人は正常血圧の人より寿命が短いことも知られています。

これが、「高血圧はこわい」といわれる理由なのです。

静かにそして少しずつ悪化し、ある日突然生命をおびやかす高血圧は、別名「サイレン

ト・キラー」とも呼ばれています。

脳卒中や心不全、賢不全などの病気を未然に防ぐためにも、高血圧の予防および治療がとても大切になります。