急性疾患の検査は迅速に適確な診断を下すために行います。
生活習慣病のような慢性疾患の場合の検査目的は少し異なります。
必要最小限な検査を定期的に適時行います。
これは投与している薬剤の副作用チェックもありますが、異常のないことを確認する意味もあります。
後日、異常が出て来た場合には、この異常がなかったことがとても役立つのです。
「異常が出たのは、この検査の後から」と簡単に分かるからです。
いわば「記念写真」ともいえます。
異常のある場合にも、異常の程度や内容によって臨機応変に検査の間隔や内容が変わります。
このあたりが、それぞれの医師のセンスが問われるところです。
当院に慢性疾患で定期通院していただいている方には「年間検査計画表」を年初にお渡ししています。
当院で行っている検査
胸部レントゲン
肺炎・肺結核や肺がんなどの呼吸器の病気の診断には必須の検査です。
心血管の病気(心不全、弁膜症、胸部大動脈瘤など)の診断にも有用です。
心電図
心臓疾患の診断の糸口となる検査です。
負荷心電図
狭心症や不整脈などでは安静時心電図では診断できない場合がしばしばあります。
階段昇降による運動の際の心電図変化をみることによって労作性狭心症や労作によって誘発される不整脈のチェックが出来ます。
当院では運動中の心電図変化がチェック出来る「ワイヤレス心電計」を使用しています。
" How to read a chest X-ray? "
ホルター心電計(24時間心電図)
心電図を24時間記録します。
動悸などの不整脈や狭心症の診断に有用です。
1週間後の結果説明となります。
(院長が勤務医の時代の研究テーマでした)
ホルター血圧計( R3.4 新規導入 )
脈波検査(CAVI)
動脈の伸展性をみて血管年齢を推定します。
また上下肢の血圧を比較することにより動脈の閉塞の有無を知ることが出来ます。
閉塞所見がある場合には閉塞性動脈硬化症が疑われます。
この検査は整形外科領域の脊柱管狭窄症との鑑別にも有用です。
心エコー(=心臓超音波検査)
心筋(心臓の筋肉)の動き具合や肥大、心臓の弁の異常を調べることが出来ます。
頸動脈エコー
血管の動脈硬化の程度を評価します。
画像で頸動脈の動脈硬化の程度を定量的に評価出来る大切な検査です。
腹部エコー
肝臓などの消化器の検査だけでなく、大動脈や腎動脈の異常も見つけることが出来ます。
胃内視鏡(胃カメラ)(2016.11~)
当院では開業以来20数年にわたり経口胃内視鏡検査を行って来ましたが、フィルムの供給が途絶えたため、ここ数年は行っていませんでした。
この度、最新の経鼻内視鏡検査機器を導入して再開することとなりました。
これまでの胃カメラで苦しい思いをされた方に、ぜひ経鼻内視鏡での検査を行っていただきたいと思います。
胃内視鏡(胃カメラ)検査とは?
胃の内視鏡検査とは、細い管を入れて、食道・胃・十二指腸を直接内視鏡で見る検査です。当院では、鼻からアプローチする「経鼻内視鏡」を採用。(2016.11より稼働予定)
胃内視鏡検査を受けていただきたい方
• 胃が痛むことがある方
• 胃がもたれる、むかむかする
• なんとなく胃の調子が悪い
• げっぷ、胃酸の逆流、胸やのどのあたりが焼ける感じがある
• 最近、食欲がない
検査で発見できる病気は?
慢性胃炎、急性胃炎などの胃炎、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの消化性潰瘍、ピロリ菌の有無、ポリープ、胃がん、逆流性食道炎、食道がんなどがあるかどうかです。
<2013年2月~「慢性胃炎」にも保険適用>
ピロリ菌が原因となる慢性胃炎を治療する際にも、保険が適用できるようになりました。
これまで健康保険でのピロリ菌の感染診断・除菌が認められていたのは、胃潰瘍 、十二指腸潰瘍の方だけでした。
慢性胃炎の方も対象になったことで、胃がん予防が進むと考えられます。
気になる胃の症状がある方は、是非当院にご相談ください。
(結果によっては病診連携先の病院にご紹介します)
当院で採用の装置 Adovancia(アドバンシア)
高画質画像を得るための数々の機能をはじめ、内視鏡画像の視認性を向上させる分光画像処理機能「FICE」を標準搭載した電子内視鏡システムです。
FICE(Flexible spectral Imaging Color Enhancement)は、衛星画像分析にも採用されている高精度の色判別技術により、内視鏡の検査・診断を補助する分光画像処理機能です。
内視鏡検査においては、病変部分の隆起や陥没、表面模様などの形状や色調の微妙な変化を読み取ることが重要ですが、内視鏡によって照らし出される画像の見え方は、観察する光の波長の違いで大きく変化します。
しかし、従来の内視鏡では、決まった波長パターンによる画像のため、必ずしも視認性の高い画像を得ることができませんでした。
FICEでは、異なる反射を示す波長の分光画像を任意に抽出し、反射分光スペクトルの差が最も大きくなる波長成分の分光画像を選択して疑似カラー化することで、よりコントラストが強く視認性の高い画像を得ることができます。
FICEによって、内視鏡検査における高度な検査・診断が可能となります。
睡眠時無呼吸検査
睡眠時無呼吸症候群は日中の眠気はもちろんのこと、心臓血管疾患と密接に関連していることがわかっています。
当院では外部委託でスクリーニング検査を行っており、お申し込みいただければ器械を貸出しして自宅で検査することができます。
具体的には、お申し込みいただくと業者を通して宅配便で検査機器械が自宅に届きます。
検査後は返送用の箱に入れて返送いただきます。
結果については後日当院で説明します。
(参考)
睡眠時無呼吸(SAS)とは
睡眠中に無呼吸を繰り返す病態の総称です。
高血圧症や虚血性心疾患・糖尿病などが高率に合併するといわれ、内科でも重要な疾患となっています。
また、日中の病的な眠気から交通事故の原因にもなります。
発症初期のウイルス検出能力が向上します
発症初期段階での確定診断が可能に!
インフルエンザなどの感染症の早期診断に威力を発揮する強力な助っ人「富士ドライケム IMMUNO AG カートリッジ」を2台導入しました。
今後、マイコプラズマ感染症や溶連菌感染症の診断にも威力を発揮するするものと期待されます。
村田 省蔵 「2015 初富士」油彩6号