多発性硬化症

多発性硬化症 / Multiple Sclerosis

https://www.christopherreeve.org/ja/international/top-paralysis-topics-in-japanese/multiple-sclerosis

・神経細胞を覆う部分に傷ができることで起こる脳と脊髄の障害であり、神経機能の低下を伴います。多くの多発性硬化症症例で、各種の麻痺症状が起こっています。

 

・神経繊維を包んでいる髄鞘を破壊する炎症が何回も発現し、神経細胞を覆う部分に沿って多数の瘢痕組織(硬化症)部分が形成されます。

その結果、それらの部分で、神経インパルスの伝播が遅延したり阻止されるようになります。

 

・しばしば、症状が軽減または消失(寛解)する期間を挟み、数日間、数週間、または数ヶ月間にわたって症状が継続しながら進行します。症状が再発(ぶり返し)するのが普通です。

 

・正確な原因は未だに不明です。環境が原因であることを示す研究発表もあります。世界的に見ると、北欧、米国北部、オーストラリア南部、ニュージーランドで特に症例が多くなっています。また、遺伝する傾向があるとも考えられています。

 

・中枢神経系(CNS)に対する一種の特異免疫反応であると信じられています。抗原(免疫細胞が感応して攻撃する目標)が何であるかは正確に判明していません。近年、どんな免疫細胞が攻撃を開始するか、どのように攻撃が開始されるかが判明し、また、破壊過程が始まるミエリンに集まってくると思われる、攻撃細胞の場所(レセプター)の一部が判明しました。

 

・原因に関する理論には、ウィルスタイプの有機体が引き起こすという理論、免疫系を制御する遺伝子の異常が原因であるとする理論、および、それらの両方を組み合わせた理論があります。

 

・約1000人に1人の割合で発症し、通常、男性よりも女性で多く発症します。普通は20歳から40歳の年齢で始まることが多いですが、どんな年齢の人にも発症することがあります。

 

・症状には、一本またはそれ以上の手足の衰弱、一本またはそれ以上の手足の麻痺、一本またはそれ以上の手足の震え、筋痙性(抑制不能な筋肉グループの痙攣)、運動機能不全、麻痺、疼き、痛み、失明、協調やバランスの喪失、失禁、記憶や判断力の喪失、疲労などが挙げられます。

 

・発作のたびに症状が変化することがあります。高熱や熱い風呂や日光浴やストレスによって、発作が誘発されたり悪化することがあります。

 

・症状の激しさや進み方は、患者によって大きく異なります。患者によっては、発作がほとんど起こらないことがあり、また、ほとんど障害が発生しないこともあります。別の患者では「再発と寛解を繰り返す」症状を見せる、すなわち、発作が続いて起こる期間(亢進期)の後に回復する期間(寛解期)が訪れることがあります。

 

・一部の患者は「進行性」症状を呈しますが、これには「一次進行性」と「二次進行性」があります。一次進行性の患者は、発症してから絶えず症状が悪化(進行)し、ほとんど回復が起こりません。二次進行性は、進行と回復を繰り返して始まりますが、やがて症状が継続的に悪化していきます。ほとんどの患者は、進行と回復を繰り返して始まる、二次進行性の症状を呈します。

 

・治療法は見つかっていません。病状悪化を軽減して病状の亢進を遅らせる望みのある、新しい治療法があります。治療法は、症状を抑制し、身体機能を維持して、生活の質を最大限に高めることを狙っています。

再発と回復を繰り返す患者には免疫調整療法を施しますが、これは、週に1回ないし数回、皮下注射か筋肉注射をする必要があります。この薬剤は、ある種のインターフェロン(アボネックスまたはベタセロン)、もしくは、酢酸グラチラマー(コパクソン)と呼ばれる他の薬剤です。これらの効力はどれもほぼ同じであり、どの薬剤を選択するかは、患者がどんな副作用を呈するかによって決定されます。

 

・発作の激しさを緩和するためにステロイドを投与することがあります。他の一般的なMS用の薬剤には、バクロフェン、チザニジン、ジアゼパムがあり、これらは筋痙性を軽減するために使用されます。排尿の問題を軽減するには、コリン作働薬投与が効果的な場合があります。感情や行動に関する症状には、抗鬱剤で対処することができます。疲労対策にはアマンタジンを投与します。

 

・患者の外見を改善し、うつ状態を軽減し、身体機能を最大限に改善し、現状に対処させる技能を養うには、物理療法や言語療法や職業療法が役立つことがあります。MS罹患後、早期に計画的運動プログラムを実行すると、筋緊張を維持するために役立ちます。

 

・どんな療法を施すにしても、患者の疲労やストレスや肉体的な衰弱や体温の異常上昇や他の病気など、MS発作の誘発因子が発生しないようにしなければなりません。

 

・治療によってどんな結果が期待できるかは患者ごとに大きく異なり、期待された結果が得られるか否かはわかりません。この疾病は慢性病であり治癒不可能ですが、診断後の平均余命は35年またはそれ以上であることが普通です。ほとんどのMS患者は、20年以上にわたって、あまり大きな障害が現れることなく、普通に歩いたり職業に従事しています。

 

 

多発性硬化症 増える薬剤

https://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/43597424.html

 

多発性硬化症の新薬

http://osler.jugem.jp/?eid=206

 

多発性硬化症/視神経脊髄炎

http://www.nanbyou.or.jp/entry/3806

多発性硬化症は中枢神経系の脱水疾患の一つです。

私達の神経活動は神経細胞から出る細い電線のような神経の線を伝わる電気活動によってすべて行われています。

家庭の電線がショートしないようにビニールのカバーからなる絶縁体によって被われているように、神経の線も髄鞘というもので被われています。

この髄鞘が壊れて中の電線がむき出しになる病気が脱髄疾患です。

この脱髄が斑状にあちこちにでき(これを脱髄斑といいます)、病気が再発を繰り返すのが多発性硬化症(MS)です。

MSというのは英語のmultiple sclerosisの頭文字をとったものです。

病変が多発し、古くなると少し硬く感じられるのでこの名があります。

一方、抗アクアポリン4(AQP4)抗体という自己抗体の発見により、これまで視神経脊髄型MSと言われた中に視神経脊髄炎(NMO)が含まれることがわかってきました。

さらに、抗AQP4抗体陽性の方の中には、視神経と脊髄だけでなく脳にも病変を呈する方や、脊髄もしくは視神経だけに病変をもつ方などいろいろなパターンがあることがわかってきました。

 

多発性硬化症とは:免疫研究部|(独)国立精神・神経医療研究センター

https://www.ncnp.go.jp/nin/guide/r_men/tahatu.html

 

Msはこんな病気です - 多発性硬化症.jp

http://www.tahatuseikoukasyo.jp/what/p01.html

 

多発性硬化症治療ガイドライン2017

https://www.neurology-jp.org/guidelinem/koukasyo_onm_2017.html

 

多発性硬化症/視神経脊髄炎について

http://www.keio-med.jp/neurology/nig/disease1.html