ヘアリ(有毛)細胞白血病

ヘアリ細胞白血病
http://www.med.osaka-cu.ac.jp/labmed/page104.html
・主とヘアリして骨髄・脾臓に浸潤するB細胞系の稀な造血器悪性腫瘍。
形態学的な特徴として不規則な細胞質の突起がみられる(日本名では有毛細胞白血病と記載されることもある)。
原因は不明だが、アジア人種、アフリカ人種での発症は少なく、遺伝的要因の関与が示唆されている。
また放射線被爆者や有機溶剤との接触者での発症率が高いと報告されている。
化学療法の進歩によって4年生存率は95%以上となっている。
臨床的特徴
・発症年齢の中央値は52歳であり、患者の80%が男性です。初期症状として巨大脾腫による腹部膨満感、不快感、倦怠感・脱力感、体重減少、出血、感染症、有痛性骨病変が見られる。
検査所見
・血液検査では約80%の症例に好中球減少、約70%の症例に中等度、高度の汎血球減少症が認められる。
末梢血白血球数が少ない症例ではヘアリ細胞はリンパ球の20%以下だが、白血球数が増加すればヘアリ細胞の占める割合も増加する。

治療のタイミング
脾腫またはリンパ節腫脹があり、
①ヘモグロビン値が10g/dl以下
②血小板数が10万/μl以下の血小板減少症
③好中球数が1000/μl以下に減少し、細菌感染、日和見感染症を繰り返している
④白血球数が2万/μl以上となり、明らかな白血病細胞の増加が認められる
⑤血管炎、有痛性の骨病変が出現

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コメント;

最近、中年男性でのルーチンの血液検査(末梢血液像)で、ヘアリ細胞白血病が偶然見つかりました。
大学病院に紹介しましたが、ごくごく初期のため、治療は開始せずに経過観察となりました。