胆のう腺筋症

胆のう腺筋腫症

https://www.tando.gr.jp/qa/qa07/

・胆のう腺筋腫症は胆のうの壁が部分的あるいは全体に分厚くなる病変(胆のう壁肥厚)であり、通常は小さなのう胞構造やコメット様エコー(石灰化)を伴う。

 

・また、肥厚した胆のう壁の部位によって3つの型(底部限局型、分節型、びまん型)に分類され、分節型の胆のう腺筋腫症では胆のうにくびれができるため、くびれの底部側に胆汁がうっ滞して結石が形成されることがある。

 

・胆のう腺筋腫症による症状はほとんどなく、胆のうポリープと同様に健診の超音波検査等で偶然発見されることが多い。

 

・胆のう結石を合併していたり、胆のう炎を併発して腹痛を伴うことが稀にある。

 

・胆のう腺筋腫症の原因は不明とされているが、胆のう腺筋腫症から胆のう癌が発生しやすいという関連性はない。

 

・腹痛などの症状がなく、肥厚した胆のう壁の層構造に不整あるいは断裂を伴っているといった胆のう癌を疑う所見がなければ、胆のうポリープと同様に、年1回の腹部超音波検査による経過観察を行うが、胆のう癌が少しでも疑われる場合には、MRIやCT、EUSによる精密検査が必要ちなる。

 

・胆のう腺筋腫症と胆のう癌との直接的な関係はないとされているが、十分な根拠はない。

 

・腹痛の原因と診断された場合や胆のう癌と区別できない場合には胆のう摘出術を行うが、胆のう癌の可能性が高い場合は腹腔鏡下手術ではなく、開腹による胆のう摘出術が行われる。