急性細菌性巣状腎炎(AFBN)

急性巣状細菌性腎炎(AFBN)は膿瘍形成を伴わない腎実質の炎症性疾患で、画像診断の発達で診断が可能となり、報告数が増加してきている。

腎盂腎炎の症例では腎のカラードプラー検査をきちんと行うことが重要と考えられる。

発熱以外の症状がなく、強い炎症反応にかかわらず、尿路感染症を疑わせる尿中白血球の増加や尿培養の陽性例は少ないとされている。

診断には超音波検査が重要で、病変部は高エコー域を示し、カラードプラーでは乏血域を示す。

造影CTでは低吸収域として描出される。

VUR合併例が多いことから、感染経路は上行感染が大半と考えられるが、血流感染もありうるとされている。

 

1979年に Rosenfield らに よって、急性細菌感染による内部の液状化を伴わな い腎実質の腫瘤状病変として報告された。

AFBN は、ひとたび腎膿瘍に移行すると、敗血症から死亡に至ることもあるため、早期に診断し十分な治療を 行うことが重要である。

 

上部尿路感染症(UTI)のスペクトルにおいて急性腎盂腎炎(APN)および腎膿瘍の間に中間型であると考えられている。