当院は開業以来、院内処方を貫いています。
院外処方の医療機関では、新薬が発売されれば薬剤名を処方箋に書けさえすれば(新薬発売と同時に)すぐにでも投薬することが出来ます。
しかし、新薬というのは発売後に新たな副作用が報告されて来たり種々の問題が生じることがあります。
これは発売前の、限られた対象患者で行う「治験」では問題点を十分把握出来ないことに原因があります。
当院は院内処方のため、薬品を購入してから処方するという手順が必要となります。
それだけに新薬にすぐに「飛びつく」ということはしません。
新薬が発売されると同時に、新薬に(取っ替え引っ替え)処方変更して研究会で講演する開業医がいることも事実です。
それでは処方される患者さんはたまったもんではありません。
薬剤は効果も重要ですが安全性の確保はそれ以上に大切です。
より良い薬剤を慎重に吟味して選考し、十分にその薬剤を理解し、なおかつ評価が定まってから採用する。
これを昔から「自家薬籠中」といいます。
随分と昔になりますが、「100のクスリで患者を治す」といった類の本がありました。
新規採用に伴い消えゆく薬剤も当然あります。
これが当院の薬剤に対するスタンスです。
長野県・蓼科山 茅野市側から眺む 2017.10.9 撮影