①タミフル(オセルタミビルリン酸塩) 内服薬
A型・B型両方のインフルエンザウイルスの増殖を防ぐ効果があります。
口から飲むタイプの薬です。
成人と1歳以上9歳以下の子供に処方されます。
10歳以上20歳未満に対しては、下に書いた異常行動を避けるために厚生労働省より処方を控えるよう通達されています。
通常はカプセル剤ですが、子供の場合は粉薬が一般的です。
症状が出始めたら48時間以内に服用するのが効果的です。
48時間を超えた患者には効き目が薄いので、無駄な処方がされないよう注意が必要です。
副作用は、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などの胃腸症状などが主です。
②リレンザ(ザナミビル水和物) 吸入薬
A型・B型両方のインフルエンザウイルスの増殖を防ぐ効果があります。
5歳以上であれば利用できます。
専用の吸入器を使って1日2回を5日間にわたって吸入します。
たとえ熱が下がったとしても、ウイルスが体内に残っている可能性が高いので、再発防止や感染拡大防止のためにも、5日間の使用を続けます。
インフルエンザウイルスが増殖する気道に粉薬を直接届けることができるので、すぐにウイルスの増殖を抑えることができます。
症状を早く緩和するために、最初の1回はできるだけ早く吸入します
病院や薬局で薬を受け取ったら、その場ではじめの1回分を吸入するのが良いです。
副作用としては下痢、発疹、吐き気、動悸などが報告されています。
③イナビル(ラニナミビルオクタン酸エステル水和物) 吸入薬
A型・B型両方のインフルエンザウイルスの増殖を防ぐ効果があります。
イナビルの最大の特徴は、1回の吸入だけで治療が終わることです。
10歳以上は2容器2つを吸引します。10歳未満は1容器を吸入します。
吸入後の継続治療は必要ありません。
1回の治療で確実に薬を吸入する必要があるため、病院で医師や看護師の指導を受けながら吸入します。
特に小さな子供の場合は、うまく吸入できるかどうかをチェックしてから吸入します。
副作用は、下痢、悪心、胃腸炎、蕁麻疹などが報告されています。
④ラピアクタ(ペラミビル) 点滴注射薬
カプセルを飲んだり粉薬を吸入したりするのが困難な患者さんにも投与できることが特徴でありメリットですが、逆に医療機関でなければ投与ができずデメリットでもあります。
1回15分~30分ほどの点滴で、タミフル2錠を5日間継続するのと同じ効果を得られるので注目されています。
大人の場合、300mgを15分以上かけて点滴します。重症化する可能性が高い場合は300mgを15分以上かけて点滴します。
子供の場合は、1日1回10mg/kgを15分以上かけて点滴し、1回の点滴上限は、600mgまでに制限されています。
ただし、臨床実験がない状態で承認を受けた薬であるため、実験データが不足しており、特別な理由がない限り子供に投与するケースが少ないようです。
基本的には一度の投与で治療を完結させますが、症状が重い場合には1日1回600mgを何日かに分けて投与することもあります。
発症から48時間以内に投与した場合に有効です。
副作用は、下痢、白血球減少、嘔吐、蛋白尿などが認められています。
参考(その他の関連サイトの紹介)
タミフル、リレンザ、イナビル…インフルエンザ治療薬の種類と違い
https://www.ishamachi.com/?p=4345
抗インフルエンザ薬の特徴と比較一覧 | 作用機序や副作用など
http://for-guests.com/anti-influenza-drugs-2205/
日本感染症学会提言
「抗インフルエンザ薬の使用適応について(改訂版)」
http://www.kansensho.or.jp/guidelines/110301soiv_teigen.html
抗インフルエンザ薬の新薬一覧比較、種類の使い分けと違いは?
インフルエンザ治療薬一覧・使い方・予防適応について
https://pharmacista.jp/contents/skillup/academic_info/pneumology/265/
[PDF]抗インフルエンザ薬(ノイラミニダーゼ阻害薬) 一覧
https://www.hsp.ehime-u.ac.jp/medicine/wp-content/uploads/DINEWS20120102.pdf
(わかりやすく表でまとめられています)
今年のインフルエンザワクチン
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/39052940.html
インフルエンザ… 今年はA香港型が9割
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/39452702.html
今年のインフルエンザワクチンは効く?
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/41886230.html
今年のインフルエンザワクチン
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/42549367.html
インフルエンザ治療薬
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/43136823.html
インフルエンザに関する報道発表資料
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou.html
(毎週、原則として金曜日に報道発表)
インフルエンザ流行レベルマップ
http://www.nih.go.jp/niid/ja/flu-map.html
インフルエンザ過去 10 年間との比較グラフ
http://www.nih.go.jp/niid/ja/flu-m/813-idsc/map/130-flu-10year.html
感染症発生動向調査週報ダウンロード
http://www.nih.go.jp/niid/ja/idwr-dl.html
今冬のインフルエンザ総合対策
国立感染症研究所 感染症疫学センター:インフルエンザとは
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/a/flu.html
インフルエンザにかかったら、どのくらいの期間外出を控えればよいのでしょうか?
(厚労省)
インフルエンザウイルスに抗菌薬は効きませんが、特に御高齢の方や体の弱っている方 は、インフルエンザにかかることにより肺炎球菌などの細菌にも感染しやすくなっていま す。
このため、細菌にもウイルスにも感染すること(混合感染)によって起こる気管支炎、 肺炎等の合併症に対する治療として、抗菌薬等が使用されることはあります。
一般的に、インフルエンザ発症前日から発症後 3~ 7 日間は鼻やのどからウイルスを排出するといわれています。
そのためにウイルスを排出している間は、外出を控える必要があります。
排出されるウイルス量は解熱とともに減少しますが、解熱後もウイルスを排出するといわれています。
排出期間の長さには個人差がありますが、咳やくしゃみ等の症状が続いて いる場合には、不織布製マスクを着用する等、周りの方へうつさないよう配慮しましょう。
参考までに、現在、学校保健安全法(昭和 33 年法律第 56 号)では「発症した後 5 日を経過し、かつ、解熱した後2日 (幼児にあっては、3 日)を経過するまで」をインフルエンザによる出席停止期間としています。
(ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めたときは、この限りではありません)。
厚労省健康局結核感染症課(H29.11.15)
この冬のインフルエンザの流行に備え、「今冬のインフルエンザ総合対策」を取りまとめ、 国や地方自治体がインフルエンザ対策に取り組むとともに、広く国民の皆様にインフルエ ンザに関する情報を提供し、適切な対応を呼びかけることといたしました。
季節性インフルエンザのウイルスには、A(H1N1)亜型(平成 21 年に流行した新型インフルエンザと同じ亜型)、A(H3N2)亜型(いわゆる香港型と同じ亜型)、2系統の B 型の4つの種類があり、いずれも流行の可能性があります。
流行しやすい年齢層はウイルスの型によって多少異なりますが、今年も、全ての年齢の方がインフルエンザに注意する必要が あります。
国民の皆様におかれましては、以下を参考にして、御家庭や職場などにおいて、適切に 対応していただくようお願いいたします
日本では、インフルエンザは例年12月 ~ 4月頃に流行し、例年1月末~3月上旬に流行のピークを迎えますので、12 月中旬までにワクチン接種を終えることが望ましいと考えられます。
なお、今年度については、昨年度以前と比較して H3N2 亜型株の製造開始が例年よりも遅れたことから、12 月中旬以降にも、新たにインフルエンザワクチンが供給される可能性があります。