漢方薬による腸間膜静脈硬化症

・漢方薬の長期服用による腸間膜静脈硬化症については近年多くの報告がなされている。

・腸間膜静脈硬化症(mesenteric phlebosclerosis)は、大腸壁内から腸間膜の静脈に石灰化が生じ、静脈還流の障害によって、腸管の慢性虚血性変化をきたす疾患であり、静脈硬化性大腸炎(phlebosclerotic colitis)とも呼ばれる。近年サンシシを含有する漢方薬( 加味逍遙散、黄連解毒湯、辛夷清肺湯、茵蔯蒿湯 )の長期服用が原因の一つとして注目されている。

 

原因;

漢方薬、特にサンシシがその原因の一つとする多くの報告がなされている。

 

症状;

主に腹痛(右側)、下痢、悪心・嘔吐が認められるが、無症状(便潜血陽性を含む)の症例もある。また、症状の重いものでは

イレウスを呈する場合もある。