小児肺炎球菌感染症
○ 小児肺炎球菌感染症について
肺炎球菌は、細菌による子どもの感染症の二大原因のひとつです。
この菌は子どもの多くが鼻の奥に保菌していて、ときに細菌性髄膜炎、菌血症、肺炎、副鼻腔炎、中耳炎といった病気を起こします。
肺炎球菌による化膿既髄膜炎の罹患率は5歳未満人口10万対2.6 ~ 2.9とされ、年間150人前後が発症していると推定されます。
死亡率や後遺症例(水頭症、難聴、精神発達遅滞など)はHib(ヒブ)による髄膜炎より高く、約21%が予後不良とされています。
○ 小児肺炎球菌ワクチン(不活化ワクチン)
子どもで重い病気を起こしやすい血清型について、子どもの細菌性髄膜炎などを予防するようにつくられたのが、小児用肺炎球菌ワクチン(肺炎球菌結合型ワクチン)です。
このワクチンは2000年にアメリカで接種が開始され、現在では、100か国近くで標準的に使用されています。
このワクチンを接種することで、細菌性髄膜炎や菌血症を激減させることが多くの国から報告されています。
わが国では、平成21年10月に承認され、平成22年2月に接種できるようになりました。
接種スケジュールは、生後2~3月頃から接種を開始して、27日以上の間隔をおいて3回接種します。
そして生後12~15か月の間に1回追加接種をします。
合計4回の接種が必要です。
医師が必要と認めた場合は、他のワクチンと同時接種ができます。
0歳のときに1度も接種しなかった場合は、1歳であれば2回、2歳を過ぎたら1回接種となります。
副反応;
主な副反応は、接種局所の紅斑(67.8%~74.4%)、はれ・しこり(47.2~57.1%)、全身反応として発熱(32.9~50.7%)が見られます。
(2014年6月改訂添付文書)
参考・引用
名古屋市「予防接種と子どもの健康」2017年版