うつ病、抑うつ状態、うつ

「うつ病」に関連する言葉には、うつ病、抑うつ状態、うつ状態、うつ、抑うつなどの言い方があります。

 

明確な基準はありませんが、ある程度気分が落ち込んだり、憂うつになるなど、うつ病のいくつかの症状(下記の診断基準でいえば4つ以下)が持続している状態を「抑うつ状態」と言います。 

うつ、抑うつというのは病気ではなく、一時的な気分の落ち込みを指す用語です。    

 

うつ病と抑うつ状態は、大まかな症状の数で分けているだけです。

したがって、一般的には、うつ病よりは軽い状態を抑うつ状態と呼ぶことが多いと思われます。

 

うつ病・抑うつ状態が疑われる時は、早めにかかりつけ医に相談しましょう。


[基本となるうつ病の症状]

 □ 気持ちが落ち込む

 □ 物事に興味がない、あるいは楽しめない

 

 ➕ プラス

 

下記が5つ以上あり、それらがほとんど1日中、毎日、通常は2週間以上続いている。

※4つ以下の場合は、抑うつ状態ということになる。

 □ 集中力や注意力などが衰えている

 □ 人生の敗北者だと気に病む、家族に申し訳がないと感じる

 □ 自分を責めたくなったり、自分には価値が無いと思ってしまう

 □ 将来に対して悲観的な見方をしてしまう

 □ 自分の体を傷つけたり、死んだほうがいいと思ってしまう

 □ 寝られない、睡眠中に眼が覚める

 □ 食欲がない

                              うつ病の診断基準 (米国精神医学会DSM-5)

出典

日医ニュース H28年2月20日 第1307号

 

(指導 産業医大 中村 純 名誉教授)