高血圧と有酸素運動

有酸素運動で高血圧改善

運動習慣のない人は、活発な運動習慣のある人と比較して、高血圧発症の相対危険度が平均1.35と高く、身体活動量の低下が肥満度や家族歴とは独立した高血圧発症の危険因子であることが知られている。

逆に身体活動量の高い人では高血圧罹患(りかん)の相対危険度は低い。

 

運動が血圧を下げる仕組みははっきりとはしていないが、交感神経系の沈静化やナトリウム利尿作用といった様々な要因が複数関係しているものと考えられている。

 

高血圧の人が有酸素運動をすると、収縮期血圧(上の血圧)は約7下がる。

収縮期血圧を下げることで心血管疾患や脳卒中のリスクを確実に低下させることができる。

1回30~60分、週に3~7日の頻度で運動をすると降圧に有効といわれている。

 

また1回あたりの運動時間が短くても多くの回数を繰り返せば降圧効果が得られるとの報告もある。

 

運動は高血圧に限らず、肥満や糖尿病をはじめメタボリック症候群の予防や改善にも有効だ。

 

血圧が高めの人は有酸素運動を日常の生活に積極的に取り入れたい。

                                     (京都府立医大 吉川敏一 教授)