インフルエンザ急拡大・ 今シーズンの特徴は“症状が重い”“吐き気”
・熱が出ると慌てて検査ってなりがちだが、早すぎると偽陰性になってしまう。そのため最初陰性の場合には、2回目の検査が大事になってくる。
強く疑うときは、検査が一番陽性になりやすい時期を知っておく必要がある。
・発熱などの症状が出てから丸1日。2日目もしくは3日目ぐらいが一番抗原検査が陽性になりやすい。3日目が一番陽性になりやすいが、抗ウイルス薬が有効なのが発症から48時間のため、丸1日または2日目が(再)検査のタイミングとなる。
・何年もインフルエンザにかかっていなくて久しぶりにかかったという方がやはり重症化しやすい傾向にある。
・今シーズンのインフルエンザの特徴は、症状が強いこと。頭痛が強烈で、吐き気などの症状で食事が出来ない場合もある。
コメント;
最近、吐き気と食欲不振で他医に「胃腸風邪ですね」と言われた学童が発熱のため来院。
インフルエンザ迅速試験を行ってインフルエンザA型と判明したケースがありました。そもそもインフルエンザによる胃腸症状は、従来からインフルエンザB型に多くみられるといわれてきました。
そういえば、例年、年末に大流行するノロウイルスによる胃腸炎が、ここ数年すっかり見られなくなりました。
新型コロナ流行以来、数年前にはインフルエンザがまったく見られない年もありました。こういったことやインフルエンザワクチンの接種率の低迷が、今季の爆発的な大流行につながったものと思われます。まさに「ウイルス干渉」(あるウイルスに感染すると別のウイルスに感染しにくくなる現象)の典型例です。
参考
・「ウイルス干渉」はコロナとインフルエンザでも起こる
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t344/202011/567678.html
(要ログイン)
・2021年にイギリスから報告された研究で、検査でインフルエンザが陽性だった人は、陰性だった人と比べて、新型コロナが検査で陽性になるリスクが58%低かったという結果がある。素直に解釈すれば、インフルエンザに感染すると新型コロナに感染しにくくなると言える。
コメント;逆はどうでしょうか?この研究報告で、新型コロナとインフルエンザに同時に感染した人は、新型コロナのみの感染者と比べて、死亡リスクが約2倍だったということでした。重複感染も十分あるということです。
コメント;
最近インフルエンザA型とB型、そして新型コロナとインフルエンザA型の重複感染を各1例を経験しました。