第11波コロナ 感染拡大中

5類になってからの新型コロナ 「あるある」

・症状があってもただの風邪だと思って受診しない(注1)

・もしかしてコロナかなと思っても受診しない

・コロナかなと思って受診しても「風邪の症状ですね」との診断で検査なし(注2)

(注1)受診しなければ、当然診断はつかない

(注2)検査しなければ確定診断に至らない。当院で経験したケースは奥さんがコロナ陽性。1週間前に、ご主人が調子が悪くて他医を受診した結果、風邪と診断されていた。奥さんに「ご主人も怪しいから明日来院させて下さい」と伝えた。早速、来院されたので高感度の核酸検出法を行い陽性と判明。結局、火元はご主人だった。

 

 

新型コロナと抗生剤

最近「かぜには抗生剤は使ってはならない」ということが不文律のようになっている。

そもそも、「風邪」の診断は、(上の話で理解していただけたかと思うが)いきなりつけるものではない。拙速に「風邪」と診断し、実は溶連菌感染症だったり、インフル・コロナだったり伝染性単核球症だったり、マイコプラズマ肺炎だったり、膠原病だったり、はたまたエイズだったりと「だったり」の連呼となる。

そもそも論でいえば、「風邪」は「普通感冒Common cold」であり、広い意味(広義)では、それ以外の感冒症状をきたす病気は「かぜ症候群」なのだ。

さて、ここからが本題。

理屈からいうとインフルエンザと同様に新型コロナの治療には抗生剤の出番がない、とされている。

ウイルスが原因であるから当然といえる。

しかし、物事はそうそう単純にはいかない。

インフルエンザと同様に、新型コロナは強力なウイルスゆえに咽頭や気道の粘膜にダメージを与えやすい。その結果、二次感染として細菌が蔓延(はびこ)り抗生剤の出番となる。

しかし、そのことについて書かれた医療記事は少ない。

多くは抗生剤は不要かもしれないが、どの時点で抗生剤を投与するかということは、簡単なようで難しい問題なのだ。

「ウイルス感染なのにどうして抗生剤を使うの?」という意地悪な質問が待ち受けていることが容易に想像できるからだ。

そして、何より二次感染の証明が難しい。

 

こうした場合に抗生剤を使用するドクターは、「やぶ」と「名医」が混在する。

同じドクターが、ある時は「やぶ」、そしてある時は「名医」ということもありうるのだ。