プロカルシトニンは何をし,その上昇の意味するものは?
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsicm/18/3/18_3_330/_pdf
・PCTは全身性炎症反応を伴う細菌感染症においてのみ特異的に上昇し、著しい上昇がなければこれを否 定しうる理想的なマーカーとして登場した。
しかし、 後に細菌感染症以外でも PCT は上昇し、早期には必ずしも高値を示さないことも明らかにされている。
したがって、単独,ワンポイントでの評価のみで敗血症を 結論できるものではない。
敗血症診断のマーカー プロカルシトニン
http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~jnaka/kensabu/topics/LabLetter2009-9.pdf
・プロカルシトニンは全身性の細菌感染症に対する特異性が高い一方で、ウイルス感染症、深在性真菌症、局所的感染症ではほとんど誘導されないことが特徴。
・プロカルシトニンは細菌性敗血症の鑑別に有用である。
・敗血症などの重症感染症における予後の評価、不明熱での重症細菌感染症の鑑別、髄膜炎などの重症感染症での細菌感染症とウイルス性感染症との鑑別などが実際の臨床での適応になる。
プロカルシトニンについて
http://www2.dokkyomed.ac.jp/dep-k/cli-lab/iryou/data/kensajouhou/PCT2.pdf
抗菌薬中止判断における プロカルシトニンガイドの有用性
http://www.marianna-u.ac.jp/dbps_data/_material_/ikyoku/20160830Honda.pdf
細菌感染症の鑑別診断には主として培養検査が行われているが、この検査は結果報告までに時間がかかり感染症に対する治療が遅れる。
そこで、感染症の疑いのある患者に対して迅速に細菌感染症と非細菌感染症を鑑別診断するのに有用である.
細菌感染の重症度評価や全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome;SIRS)の監視、敗血症や多臓器不全における治療効果および予後を判定するときに用いる。
大手術、臓器移植、多発外傷、化学療法、重篤な膵炎や胆管炎など、全身性細菌および真菌感染症のリスクの高い患者を経過観察するときや市中感染肺炎(community-acquired pneumonia)に対して抗菌薬療法を実施するときのパラメーターとなる。
CRPとプロカルシトニンには相関関係は認められない。
CRP低値症例ではプロカルシトニン濃度も基準範囲内であるが、CRP高値症例では重症細菌感染症(敗血症および重症肺炎)のみプロカルシトニン濃度が有意な上昇を呈し、プロカルシトニンとCRPの挙動は異なる。
Critical/Panic value; 2.0ng/ml以上
PCTの臨床的意義
https://www.falco.co.jp/rinsyo/detail/061038.html
・プロカルシトニンは、カルシウム代謝に重要な甲状腺C細胞由来のホルモンであるカルシトニンの前駆体。
・代謝によってホルモン活性を有するカルシトニンとして血中へ分泌されるため、健常人では極めて低い血中濃度。
・重症細菌感染症では、その菌体や毒素などの作用によって炎症性のサイトカインが産生され、その刺激を受けて、多臓器からPCTが産生・分泌されます。
・細菌性敗血症の鑑別診断および重症度判定に有用です。
異常値を示す主な疾患・状態
・異常値:全身感染症、特に細菌感染症で上昇。
細菌性敗血症
保険点数
プロカルシトニン(PCT)定量又は同半定量は、敗血症(細菌性)を疑う患者を対象として測定した場合に算定できる。
ただし、エンドトキシンを併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。