血清フェリチン

・フェリチンは全ての細胞に存在する蛋白で、トランスフェリンによって運ばれてくる鉄を細胞内に貯蔵し、鉄が必要な場合は速やかに利用できるように調節している。

・鉄が過剰に吸収されてもフェリチンが形成されて過剰鉄によって直接組織が障害されないように鉄の毒性を解消する機能もある。

血清鉄が血清中に存在する鉄の量を表すのに対し、血清フェリチンは貯蔵鉄の量を反映して増減し、血清フェリチン1ng/mLは貯蔵鉄8~10mgに相当します。

・血清フェリチン値は早期に低下し、血清鉄値は末期まで低下しないことから、鉄欠乏状態を早期に診断するためには血清フェリチン測定は有用。

血清フェリチン値は悪性腫瘍、肝障害、心筋梗塞、感染症、炎症などで貯蔵鉄量とは無関係に上昇する。 

鉄欠乏状態の患者でもこれらの疾患がある場合は血清フェリチンの低下を認めないことがある。

・鉄剤投与の場合にはヘモグロビン値が正常化した後、さらに3~4ヵ月の継続投与で貯蔵鉄量が正常化することから、内服中止の目安として血清フェリチン値の正常化が重要な指標となる。

 

 

https://www.crc-group.co.jp/crc/q_and_a/116.html