早期再分極

早期再分極は心電図用語であり、診断名ではないため病名とはいえない。

心電図上の波形は心筋の分極、脱分極、再分極の3つの過程で成り立つが、これはそれぞれ心筋の安静時、心筋興奮が始まり、心筋が興奮からさめる、という状態に相当する。早期再分極とは心筋が興奮からさめるのが時間的に早いということになる。

これは、なにかその原因になるようなものはないかと、注意するための目安になるだけのものであり、何か不都合があるというわけではない。

・早期再分極とは若年男性に多い無症候性のST上昇。

従来は健常人の5~10%にみられる良性所見とされていたが、近年ではその一部で心室細動による突然死との関連性を指摘されている。

心室細動の既往のある患者の31%に早期再分極を認め、さらに早期再分極を有する場合には心室細動の再発率も高かったとの報告もある。

・早期再分極と心膜炎いずれの場合も上へ向かって凹型(鞍状)のST上昇がみられるが、これを認める誘導が異なる。

早期再分極ではV3~V6誘導(Ⅱ、Ⅲ、aVF誘導の場合もある)でST上昇が多くみられる。

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