伝染性単核症とは
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/444-im-intro.html
・思春期から若年青年層に好発し、大部分がEpstein‐Barr ウイルス(EBV)の初感染によっておこる。
・主な感染経路はEBV を含む唾液を介した感染(一部、輸血による感染も報告されている)であり、乳幼児期に初感染をうけた場合は不顕性感染であることが多いが、思春期以降に感染した場合にIM を発症することが多く、kissing disease とも呼ばれている。
EBV の既感染者の約15~20%は唾液中にウイルスを排泄しており、感染源となりうる。
・IM の発症機序はEBV に対する細胞性免疫反応の過剰反応であると考えられており、細胞性免疫が発達した思春期以降の方が乳幼児期よりも発症頻度が高いのはこのためである。
・4 ~6 週間の長い潜伏期を経て発熱、咽頭扁桃炎、リンパ節腫脹、発疹、末梢リンパ球増加、異型リンパ球増加、肝機能異常、肝脾腫などを示す
・発熱は高頻度に認められ、多くの場合38 ℃以上の高熱で1~2週間持続する場合が多い。
扁桃には偽膜形成を認め、口蓋は発赤が著明で出血斑を認めることもあり、咽頭痛を伴う。リンパ節の腫脹は1~2週頃をピークとして全身に認められるものの、頚部が主である。
・肝機能異常はほとんどの症例で認められるが、AST/ALT の増加は第2週頃をピークとして300~500IU/L 程度のことが多い。
伝染性単核症
https://medicalnote.jp/diseases/伝染性単核症
・合併症としては、血球貪食症候群、無菌性髄膜炎、ギランバレー症候群、リンパ腫、再生不良性貧血、心筋炎、心膜炎、肺炎、気道閉塞など、さまざまな疾患がある。
・遺伝疾患である伴性劣性リンパ球増殖症候群(X‐linked lymphoproliferative syndrome :XLP;Duncan 病)の患者さんでは、先天的にEBウイルス 特異的CTL 活性が誘導されないため、致死性伝染性単核症となる。
キスで感染、伝染性単核球症 思春期以降は重症化も
https://medical.jiji.com/topics/781
伝染性単核球症
http://himeji.jrc.or.jp/category/diagnosis/naika/kanzo/pdf/20170907_2.pdf
(イラスト入りで分かりやすく解説されています)
・主にEpstein-Barrウイルス(EBV)の初感染によって起こり、発熱、喉の痛み、リンパ節の腫れ、発疹などを主症状とする感染症。
・予後は良好で2~3週間で自然に軽快することが多いが、発熱などの症状が1か月以上続くこともある。
・ほとんどがEBVの初感染によって起こるが、サイトメガロウイルス(CMV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)、トキソプラズマ原虫などが原因となることがある。
・EBVは乳幼児期~若年青年期に、主に唾液を介して感染するが、乳幼児期では感染しても症状が出ないことが多く(不顕性感染)、一般に思春期~若年成人の初感染で発症する。
・EBVの初感染から約4~6週間の潜伏期間を経て、発熱、リンパ節腫脹、咽頭炎、扁桃炎、脾腫、肝腫大、倦怠感、頭痛、腹痛、悪心、嘔吐、皮疹などの症状をきたす。
皮疹は約20%にみられ、しばしば麻疹様~風疹様の紅斑を示す。
・血液検査では、しばしば白血球増多、リンパ球増多、異型リンパ球の出現、好中球減少、血小板減少がみられる。
また多くの症例で肝機能異常を認める。
・発症から2週間程度は頸部のリンパ節の腫れや咽頭炎の症状が強く、その後脾腫の頻度が高くなることが知られている。
症状は2~3週間で自然に軽快することが多いが、発熱が1か月以上続くこともある。
・まれに、脾破裂、脳炎、自己免疫性貧血などの合併症がみられることもある。
特に脾腫がみられる場合は脾破裂のリスクが高くなるため、腹痛の症状が認められた場合は脾破裂を疑う必要がある。