睡眠時無呼吸症候群
代表的な症状は強度のいぴきと睡眠中の呼吸停止、日中の過度の眠気など。
一般に睡眠時無呼吸症候群という場合は、気道が閉塞することによって呼吸が止まる、閉塞型睡眠時無呼吸症候群を指す。
睡眠時無呼吸症候群は、文字通り寝ている間に何回も呼吸が止まる病気でで、英語では Sleep Apnea Syndrome という。
この頭文字をとって SAS(サス)とも呼ばれている。
単に呼吸が止まるだけではなく心臓、脳、血管に負担をかける。
実は、睡眠時無呼吸症候群があるだけで高血圧症、脳卒中、狭心症、心筋梗塞など循環器病を合併する危険が高まることがわかっている。
一方で、治療をきちんとすることにより、長生きできる可能性があることもわかっている。
考えられる原因としては
①肥満による首部分の脂肪の増加
②首が太くて短い人
③舌の付け根や軟口蓋(鼻と喉の境の部分)の気道への落ち込み
④小顎症(顎が小さい)、顎の後退
⑤扁桃肥大
⑥鼻の構造的な問題(鼻すじの彎曲、鼻が低い)
などが考えられます。
●いびきが大きい人は注意が必要
簡単に言えば睡眠中に呼吸が止まってしまう状態のことを言うが、正式には,「日中の過眠やいびき・不眠などの症状を伴い、1時間に5回以上(それぞれ10秒以上)の呼吸停止もしくは低下を認めるもの」と定義される。
実際の患者数は人口の5%くらいと考えられているので、およそ600万人ということになる。
いびきは無呼吸の前兆といわれる。
強度ないぴきと睡眠中の呼吸停止、日中の過度の眠気はこの病気の代表的な症状だが、その他に起床時の頭痛や性欲低下、夜間の中途覚醒や夜間頻尿なども出現することがある。また、睡眠時無呼吸症候群は肥満の人に起こりやすく、高血圧を起こしやすいため、これらが当てはまる人は要注意と言える。
睡眠時無呼吸が疑われたときには、自宅でも行うことができる簡易式の検査で調べることもあるが、確定診断のためには、終夜睡眠ポリグラフという検査を行う。
原則的に入院での検査になるので簡単ではないが、睡眠中の呼吸停止もしくは低下の回数が多い場合には、高血圧や突然死の確率が高くなることが分かっており、しっかりした診断と治療を行うことが重要だ。
●治療法について
呼吸障害の程度が強い場合には、経鼻的持続気道陽圧療法を行う。
これは、睡眠時に鼻マスクを装着し、睡眠中に呼吸が止まると鼻マスクにつながった機械から自動的に空気が送られてきて、呼吸を継続できるようにするものだ。
これによって良好な睡眠が取れるようになり、昼間も快適に過ごすことが可能となるし、基準を満たせば機械の費用も含め、保険が適応される。
他の治療としては、肥満がある場合は減量することも重要な治療となるし、歯科的にマウスピースなどを装着したり、耳鼻科的に手術を行ったりもする。
人生のうち、約3分の1の時間は寝ている。
最近ようやく睡眠の重要性が指摘されてきた。
睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に着々と循環器病の下地をつくっているので、これまで以上に、この3分の1の時間の送り方に注意を払おう。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者の合併リスク(健常者と比べて)
高血圧症 約2倍
狭心症・心筋梗塞 2~3倍
慢性心不全 約2倍
不整脈 2~4倍
脳卒中 約4倍
糖尿病 2~3倍
当院では自宅で行える簡易式の検査が可能です。
経鼻的持続気道陽圧療法を継続していただいている方もみえて、そういった方は出張や家族旅行の際にも持っていって使ってみえます。
<関連サイト>
睡眠時無呼吸症候群 セルフチェック
睡眠時無呼吸なおそう.com
睡眠時無呼吸症候群と循環器病─ そのいびきが危ない!
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/general/pamph101.html
睡眠時無呼吸症候群(SAS)net
睡眠時無呼吸症候群サイト
睡眠時無呼吸症候群
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000265.html