食後高血糖
油断大敵! 食後高血糖 一 脳卒中や心筋梗塞の危険も? 一
動脈硬化の裏に糖尿病が…
脳卒中や心筋梗塞は、動脈硬化が進行して血管がつまる病気です。
これらの病気で緊急入院した人のうち約3割は、以前から糖尿病だったことが知られています。
最近の調査で、約4割は糖尿病患者または糖尿病予備群であり、糖尿病と無縁だったのは3割程度と報告されました。
より詳しく知るために
食事でとるご飯やパン、麺類などの炭水化物は体内でブドウ糖になり、血液で全身に運ばれてエネルギー源となります。
「血糖値」とは血液中のブドウ糖量のことで、糖尿病診断の目安となる数値です。
食前の血糖値は正常であっても、食後血糖値の高い状態が続くのがいわゆる糖尿病予備群です。
血糖値は、通常は健診の血液検査によって食前の数値が測られます。
しかし血糖の異常はまず食後血糖値の上昇として現れ、この時点で食前の血糖値はまだ正常範囲です。
したがって、より詳しい血糖値の異常の判定には食後血糖値を検査したり、ブドウ糖負荷試験をすることが勧められます。
心配な方は検査を
軽い糖尿病患者や糖尿病予備群の人は、動脈硬化が進むのはもちろんのこと、最近、がんやアルツハイマー病、歯周病などになりやすいという調査結果も発表されています。
血糖値が少し高くても自覚症状はないので、血液検査を受けてみないと異常があるかどうかはわかりません。
以前から太っている、最近太ってきた、食べているのにやせてきた、運動不足、家族に糖尿病患者がいるなど、気になることがあったらかかりつけの医師に相談し、食後血糖値の検査を受けましょう。
指導:聖マリアンナ医科大学代謝・内分泌内科 田中 逸 教授
日医ニュース 2012.7.20
血糖値スパイク
~高血糖は食後に潜んでいる~
健康診断などでは、前夜から食事をしないように指示を受けて「空腹時」血糖を測定することがほとんどです。
しかし、血糖異常は食後から始まり、気がつかないうちに「食後」血糖値が急激に上昇し、のちに急激に低下していることがあります。
この急激に血糖値が変動する傾向を「血糖値スパイク」といいます。
血糖値スパイクを放置しておくと、心臓病などの血管の病気や認知症、がんなどの合併症を生じやすいことがわかっています。
それを防ぐためには、血糖値スパイクを起こさないことが大切です。
食後血糖のピークは食後60 ~ 120分くらいです。
かかりつけの病院で血液検査をする機会があれば、このくらいの時間に血糖値を測定してみると血糖値スパイクの有無がわかります。
血糖値が140mg/dlを超えると要注意です。
日常生活では、食後血糖を上昇させないように、食事を
野菜→肉や魚など(たんぱく質)→米やパン(炭水化物、糖質)
の順で摂る工夫や、特にデスクワークの人は体を動かす習慣を心がけましょう。
食後高血糖と隠れ糖尿病
https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/life/89.html
・IDF(国際糖尿病連合)は2007年に発表したガイドラインのなかで、「食後血糖値の測定が糖尿病の早期発見のポイントである」と明記しています。
・それは、空腹時血糖値が正常でも、食後血糖値を調べると糖尿病だったというケースが多いからです。
・目安として、食後2時間たったときの血糖値が140mg/dlを超える場合、食後高血糖とされます。
・IDF(国際糖尿病連合)は、食後高血糖を放置していると、糖尿病になりやすいとしています。
また、食後高血糖が活性酸素の発生をうながし、血管に酸化ストレスを与え、動脈硬化を促進することも指摘しています。その結果、糖尿病の合併症、とくに心筋梗塞や脳卒中のリスクが高くなるとしています。
・糖尿病の合併症には、細い血管に起こる網膜障害や神経障害などもありますが、食後高血糖の場合には太い血管への影響が大きく、そのため心筋梗塞などのリスクが高くなると考えられています。
食後高血糖を抑える「セカンドミール効果」って何?
https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/life/163.html
食後高血糖とは?-糖尿病NET-尿糖チェックで糖尿病コントロール
http://www.dm-net.co.jp/ga-file/kensa/ga03.php
“かくれ糖尿病(食後高血糖)”の早期発見の必要性とスクリーニング法
http://www.terumo.co.jp/consumer/guide/symptom/diabetes/screening.html
糖尿病は早期発見・早期治療が鍵
http://www.myclinic.ne.jp/imobile/contents/medicalinfo/top_naika/sanwa_naika_03/mdcl_info.html