急性巣状細菌性腎炎
閉経後の女性では,尿路感染症の頻度が増加し、再発も多い。
既往がなくとも高齢による尿路の良性・悪性疾患の存在や免疫不全状態など基礎疾患の有無を検索することが重要である。
臨床症状・身体所見・検査所見などについては急性単純性腎盂腎炎(思春期~閉経期の女性)」と同様である。
推定される原因微生物 急性単純性腎盂腎炎と同様
推奨される治療薬 急性単純性腎盂腎炎に同じ
参考
JAID/JSC 感染症治療ガイドライン 2015―尿路感染症・男性性器感染症―
https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/guideline_JAID-JSC_2015_urinary-tract.pdf
急性巣状細菌性腎炎による敗血症の一例
https://nsmc.hosp.go.jp/Journal/2018-8/SMCJ2018-8_casereport04.pdf
急性巣状細菌性腎炎(acute focal bacterial nephritis:AFBN)は、1979 年に Rosenfield らによって、急性細菌感染による内部の液状化を伴わな
い腎実質の腫瘤状病変として報告された。AFBNは、ひとたび腎膿瘍に移行すると、敗血症から死亡に至ることもあるため、早期に診断し十分な治療を
行うことが重要である。
急性巣状細菌性腎炎 ~急性腎盂腎炎と鑑別が困難な 2 症例~
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhgmwabun/13/2/13_21/_pdf/-char/ja
コメント;
最近、この疾患が疑われる50代男性の症例を経験しました。
ただし、左室内に血栓があり、その結果として腎梗塞を起こした可能性もあります。
(血液は細菌感染の所見)
経験するはずもないと思っていた症例も、いつ身近で経験するかも知れません。
まさに臨床は緊張と興奮の連続です。
ただし、多くの病気は見逃されている可能性もあります。