慢性腎臓病の運動療法
https://jinentai.com/ckd/tips/5_5.html
慢性腎臓病と運動療法
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shippei/ckd/exercise.html
・最近では、適度な有酸素運動によって、尿蛋白減少などの効果がみられたとの報告がある。
・ステージ1やステージ2の場合には、高度の蛋白尿がない限り、特に運動を制限する必要はない。
ステージ3の場合には、CKDの発症と関連した身体状況(糖尿病、高血圧など)の場合は、運動の効果が期待される。
・これまで、あまり運動習慣のなかった人は、1日1万歩を目指して徐々に歩数を増やすことが勧められる。
・有酸素運動とレジスタンス運動レジスタンス運動(ダンベル運動やスクワット、腹筋、腕立て伏せなどの、筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動)を併用することで、血糖値や血圧が改善し、さらにはCKDの進行も抑えられると考えられる。
・ステージ4やステージ5の場合には、過度の運動は腎臓に負担をかけることがある。
しかし、全く運動しないことも体によくない。
定期的に適度な有酸素運動を続けることが大切だとされているので、主治医と相談しながら、自分に適した運動を行うようにしよう。
糖尿病性腎臓病の人を対象にした運動プログラム
https://www.mhlw.go.jp/content/000656469.pdf
慢性腎臓病 ~ 「とにかく安静」から「運動して改善」へ
https://www.comado.co.jp/post-2283/
慢性腎臓病「安静より運動で元気に!」
https://www.nhk.jp/p/kyonokenko/ts/83KL2X1J32/episode/te/9QPX8V53W3/
慢性腎炎の運動療法
「慢性腎臓病』の治療では、長い間、安静第一が基本だった。腎臓は.安静時には心臓から多くの血液の供給を受けているが、運動時には筋肉などへの血液の分配が高まるため(コメント;安静時でも食事中やその後は胃腸への血流が増加)、腎臓への血液量が減少する。また、短期的に強い運動をするとんタンパク尿排泄量が増加する。
こうしたことから患者さんが強度の高い運動を行うと腎機能や賢病変が悪化する危険があると考えられていた。
しかし、近年の研究により、このような現象は一時的で、長期的には中強度(楽である~ややきつい程度)までの運動は筋肉量の維持や高血圧の改善、心血管疾患の予防などメリットのほうが大きいことかわかってきた。
コメント;運動中の腎血流増加については、一時的な効果のためか触れられていません。
また、賢機能の低下の予防・改善(コメント;クレアチニンなどの改善がみられれば患者さんのモチベーションは確実に上がります)、尿たんぱく排泄量の減少などの効果も報告されるようになった。
むしろ、過度な安静が筋カ、持久力の低下、杜会復帰の遅延、生活の質の低下、死亡率増加などと関係があることか明らかになった。
慢性腎臓病の患者さんには病期(ステージ)にかかわらず、基本的に運動療法が勧められる。
ただし、急性腎炎が起こっている、急速に腎機能か低下している、ネフローゼ症候群などで尿たんぱく排泄量が多いなどの場合は、運動は不適当とされている。
運動療法は、原則として週3‐5回、1回に20~30分の歩行や自転車こぎなどの中程度の有酸素運動が中心となる。
ジョギングやランニングは推奨されない。
体力が落ちている場合は1回に3~5分程度の運動から始め、患者さんの
運動耐容能に基づいて、時間をかけて徐々に回数や時間を増やす。
さらに、筋力増強運動{筋トレ)やストレッチも加えるとなおよい。
運動療法は透析を受けている患者さんにも勧められる。
参考
(ドクター用)「保存期 CKD 患者に対する腎臓リハビリテーションの手引き」
https://jsrr.smoosy.atlas.jp/files/2231
(ドクター用)「日本腎臓リハビリテーション学会・日本心臓リハビリテーション学会からの共同ステートメント」
https://jsrr.smoosy.atlas.jp/files/2232
参考・引用一部改変
きょうの健康 2024.12
執筆 東北大学名誉教授 上月正博 先生