もやもや病(指定難病22)
http://www.nanbyou.or.jp/entry/47
・もやもや病で細くなる血管は“ウィリス動脈輪”という血管の環状交差点(ロータリーのようなもの)をつくっています。そのためウィリス動脈輪閉塞症とも呼ばれます。一方、脳細胞に血液を供給するため太い血管から枝分かれした細い血管が、太くなり不足した血液を補います。しかし、本来の太さ以上に拡張して多量の血液をおくるため切れやすく、頭蓋内に出血を起こすこともあります。現在のところはっきりした原因は解明されていません。
・もやもや病には家族内発症するかたが10~12%程度に見られると言われています。つまり、本人がもやもや病の場合、その親や兄弟姉妹、いとこなどにももやもや病の方がいる可能性が一定程度(10-12%程度)ありうるということです。
・病気の原因はまだ解明されていません。もやもや病患者さんに病気の症状がおこるメカニズムや、ある特定の遺伝子を持つ方に発症し易い傾向があることまでは最近の研究で明らかにされています。
・患者さんの家族の中に、比較的若くして脳卒中を患った家族がいる場合などは、家族性発症が疑われます。従って、このような患者さんに御兄弟、姉妹がいる場合は脳の血管をMRIなどで調べるのが良いと思われます。
・前頭葉の血流不足による症状が起きやすく、症状が一時的に起こり回復する事がしばしば見られます。
もやもや病 ─ ここまできた診断・治療
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/brain/pamph117.html
・この病気は1950年代に日本で見つかり、1960年代終わりにもやもや病と命名されました。
・網の目のような側副血行路に長年負担がかかりつづけると、この血管が破れて脳出血を起こすことがあります。成人のもやもや病の半数は、脳出血で発症します。
・脳の血液不足による症状が起こっている場合、抗血小板薬(こうけっしょうばんやく)という薬がよく用いられます。薬を飲むことで、血液が狭い血管の中を通り抜けやすくなり、また狭い部分で血液が固まり詰まってしまうのを防ぎます。
・最もよく使われるのはアスピリンで、通常の解熱鎮痛に使う量の3分の1程度の少量で、効果を発揮します。最近では、シロスタゾールやクロピドグレルといった、他の種類の薬が使われることもあります。
多くの患者さんで一過性虚血発作の回数が減りますが、脳血流量を直接増やす作用はなく、薬のみでの治療には限界があります。
・脳血流を増やすために血行路をつくる「バイパス手術」が1970年代から始まり、これまでいろいろな改良が加えられてきました。虚血型もやもや病の患者さんが脳梗塞を起こすのを防ぐ効果が認められています。
脳血管の病気の治療指針である「脳卒中治療ガイドライン」や、もやもや病の治療指針「もやもや病診断治療ガイドライン」にも、虚血型の患者さんには適切なバイパス手術が薦められるべきであると書かれています。
もやもや病
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/sp/contents/000304.html