副腎皮質ホルモンは、副腎(皮質)からつくられ(分泌)、血液の流れに乗って全身をめぐり色々な働きをを及ぼす。臨床でよく用いられるステロイド薬は、副腎で産生されるステロイドホルモンの総称。
大別すると糖質コルチコイドと鉱質コルチコイドに分けられます。
ヒトでは主に、糖質コルチコイドとしてコルチゾール、鉱質コルチコイドとしてアルドステロンを産生する。
他のステロイドホルモン同様、副腎皮質ステロイドは細胞膜を通過し、細胞内にある転写因子型の受容体に結合して働きく。
特に糖質コルチコイドは、糖代謝、蛋白質代謝、脂質代謝、電解質代謝、血液成分の調整、神経系や循環器系、消化器系、内分泌系の制御、免疫・炎症抑制など多数の生理作用を持っている。そのため臨床で使われている製剤も20以上と数多くある。
適応は副腎不全や関節リウマチ、膠原病、悪性腫瘍、皮膚疾患、重症感染症など多岐にわたる。
2020年には糖質コルチコイド製剤のデキサメタゾンが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬として認められた。これは、肺障害や多臓器不全につながる全身性炎症に対して、予防あるいは抑制効果を見込んだものだ。
コルチゾールをより強力化した、この合成ステロイドのデキサメタゾンを使った医薬品にはデカドロン(日医工)、デキサート(富士製薬工業)などがある。
一方、鉱質コルチコイド製剤としては、副腎皮質過形成症や副腎皮質機能不全を適応症とする「フロリネフ」(フルドロコルチゾン酢酸エステル、サンドファーマ/サンド)がある。
副腎皮質ホルモンの働きは
・全身の活動性を維持する。・・・・恒常性(ホメオスターシス)
・糖質、たんぱく質、脂質やコレステロールの代謝を調節する。
・ミネラル、血液、精神・神経、心臓や血管、胃腸、ホルモン、骨や皮膚、免疫(抵抗力)の調節する。
副腎皮質ホルモンの分泌量のリズムは
・朝に多く、夜間は少ない(日内変動)。
・体内でステロイドが増えてくると、副腎からの分泌がへって、一定の範囲内にとどまる。
・身体的・精神的ストレス(事故、急性の病気、手術、不安、興奮など)がかかると、分泌量が増える。
◉ステロイドの薬とは?
◯ 薬としての作用
抗炎症作用:炎症をしずめる=腫れ、発熱、痛みを抑える。
免疫抑制作用:免疫をおさえる、すなわち免疫(からだにとっての異物を攻撃し破壊する)の働きを抑え、リウマチや膠原病などの免疫の病気の勢いを鎮める。
◯ どんな時に使うのか
炎症や免疫の反応による様々な症状、すなわち発熱、関節の腫れ・痛み、皮膚の症状、筋肉の症状、血管や内臓(腎臓・肺など)病変など生じている時に使う。
◯ どのように使うのか?
内服療法:基本的に、病状や検査の結果に応じて、十分な量から始め、徐々に減らす。特に少量(プレドニンで10ミリグラム以下)になれば、さらにゆっくり減らします。
錠剤は通常1錠中に成人の副腎からの1日分泌量(コルチゾール:20ミリグラム)に応じた量を含む。
注射療法:省略
参考・引用
リウマチ膠原病におけるステロイド療法
https://utano.hosp.go.jp/section/13_15.html
内服ステロイドの種類
ステロイドの量(少量、中等量、大量)
服用法
副作用
については、このサイトが参考になります。
「こわくない!!ステロイド治療」
https://midori-hp.or.jp/pharmacy-blog/web19_4_3/
副腎皮質ステロイド(糖質コルチコイド/鉱質コルチコイド)とは
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/011900001/23/02/06/00521/