心アミロイドーシス

心アミロイドーシス
https://kompas.hosp.keio.ac.jp/sp/contents/000649.html
アミロイドーシスとは、一部のタンパク質が正常に折りたたまれずアミロイドと呼ばれる異常な線維を形成し、心臓、肺、肝臓、脾臓、胃・腸、腎臓などの様々な臓器に沈着して、臓器の機能障害を引き起こす病気のことです。

原因となるタンパク質の種類は30種以上見つかっており、アミロイドの種類によって沈着する臓器が違い、病気の症状も異なります。
特に心臓にアミロイドが沈着し、心臓の機能を障害する病態を「心アミロイドーシス」といいます。

心アミロイドーシスを来す病型
1) 免疫グロブリン性アミロイドーシス(ALアミロイドーシス)
2) 遺伝性トランスサイレチンアミロイドーシス(ATTRvアミロイドーシス)(旧病名:家族性アミロイドポリニューロパチー)
3) 野生型トランスサイレチンアミロイドーシス(ATTRwtアミロイドーシス)(旧病名:老人性アミロイドーシス)
の主に3種類があります

症状
心アミロイドーシスでは、アミロイドの沈着により心室の壁が厚くなり固くなることで拡張する力が低下し、病状が進行するとさらに収縮する力も落ちます。
その結果、治療が困難な重症の心不全となります。
また、刺激伝導系(しげきでんどうけい)にアミロイドがたまることもあり、脈拍が途絶えるブロックや様々な不整脈が起こります。
沈着するアミロイドの種類によって臨床像や予後(病気の見通し)が違います。
一般的にALアミロイドーシスの方が病気の進行が速く、重症化します。
しかし、ATTRの予後も決して良くなく、心不全の発症から3.5年と報告されています。