骨粗鬆症の検査
骨粗鬆症で骨折すると、再び骨折する率は骨折していない人の4倍になります。
しかし、薬による治療で骨折は50%以上減らせます。
検査を受けて早期に発見して、早めに治療しましょう。
検査の必要性 骨折を防ぐために自分の危険度を知る
骨粗鬆症を早期に発見するためには、骨密度の検査を受ける必要があります。
閉経後の女性や痩せすぎの人など、骨粗鬆症になりやすい原因がある人は50歳くらいから、危険因子がなくても65歳くらいからは、検査を受けてください。
男性でも、危険因子があれば50歳から、危険因子がなくても70歳を過ぎたら、検査を受けることが勧められます。
なぜなら、骨粗粗症に気付かず、骨折を起こしてしまう人がいるからです。
骨粗鬆症で骨折すると、再び骨折する率は、初めて骨折する場合に比べ、4倍も高くなります。
だからこそ、最初の骨折を防ぐことが大切なのです。
骨粗鬆症の自己チェック法
自分の体重と年齢から、骨粗鬆症の危険度を判定する簡単なチェック法があります。
チェックをしてその危険度が4未満なら危険度は「高」、4以上でー1未満なら「中」、ー1以上なら「低」と判定します。
背骨の圧迫骨折を自己チェックする方法もあります。
女性は50歳を過ぎていたら、男性は70歳を過ぎていたら、次の3点についてチ
ェックしてみます。
◆背が縮んだように感じる、あるいは実際に縮んだ。
◆背中や腰が曲がったように感じる、あるいは実際に曲がった。
◆背中や腰が痛み、動作がぎこちない。
当てはまる項目があれば、背骨の圧迫骨折を起こしている可能性があります。
DXA法や超音波法などで骨密度を調べる
骨密度を測定する検査には、次のような方法があります。
・DXA(デキサ)法
エックス線を使って骨密度を測定する方法です。
全身用のDXA法では、体のほとんどの骨の測定かできます。
この検査は、地域の基幹病院など規模の大きな医療機関で行われています。
前腕部の測定を行うDXA法は、整形外科をはじめとした骨粗鬆症の治療を行
っている病院や診療所で受けることができます。
・MD法
手のエックス線写真を利用して骨密度を測定する方法です。
この方法も、骨粗鬆症の治療を行っている病院や診療所で受けられます。
・超音波法
かかとの骨に超音波を当て、超音波の伝わる速度から骨密度を測定する方法です。
骨粗鬆症の診断には使われませんが、骨折の危険性を評価するのには適しているため、健康診断などでは広く用いられています。
この検査で骨粗鬆症が疑われる場合には、全身のDXA法で詳しく調べ、骨粗鬆症かどうかを診断します。
骨密度は体の各部分で異なっています。
そこで、『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン』では、太ももの付け根部分と腰椎、両方の骨密度を測定し、それによって診断することを推奨しています。
骨密度の検査は、40歳以上の女性であれば、特定健診の際に、500円ほどの費用で受けられる自治体が多くなっています。
名古屋市でも「骨粗しょう検診」を行っています。
・診断基準
骨密度が若年成人の平均値の何%あるかによって判定します。
80%以上なら「正常」、70%未満なら「骨粗鬆症」と診断されます。
骨密度が正常でも、過去に太ももの付け根や腰椎の骨折を経験していれば「骨粗鬆症」と診断されます。