薬による治療 骨を強くして骨折を防ぐ
骨粗鬆症の人は骨折を起こしやすいので、それを予防する必要があります。
対処法の1つが、薬による治療です。
骨粗鬆症と診断された人には、薬による治療が必要となります。
また、骨粗鬆症と診断されていなくても、骨密度が若年成人の70%以上80%未満の人で、骨折の危険因子をもっている人には、薬による治療が必要です。
骨折の危険因子には、「両親のいずれかが太ももの付け根を骨折したことがある」などがあります。
骨粗鬆症の治療で使われる薬には、次のような種類があります。
① 骨を壊す働きを抑える薬
破骨細飽が骨を壊すのを抑えることで、骨を強くします。
最も効果が高い薬は、ビスホスホネートとデノスマブです。
ビスホスホネートは、主にのみ薬が使われていて、
毎日服用、週I回服用、月1回服用などのタイプがあります。
デノスマブは半年にI回、注射で投与されます。
比較的重症の人に使われます。
もうIつの薬は、女性ホルモンのエストロゲンと似た作用をもつSERMです。
閉経後の50歳代、60歳代の女性に使われます。
② 骨を作る働きを助ける薬
骨芽細胞の骨を作る働きを助け、骨を強くする薬です。
副甲状腺ホルモン薬が使われています。
これは重症の人やすでに骨折を起こした人に使われる薬で、注射薬です。
週に1回医療機関で注射するタイプと、毎日自己注射するタイプがあります。
③ 骨の作り替えのバランスを整える薬
活性型ビタミンD3が使われます。
比較的若い人やビタミンDが不足している人が主に使用します。
■副作用
骨粗鬆症の治療薬により、吐き気や胃の痛みなどの消化器症状、更年期障害の悪化といった副作用が出ることがあります。
しかし、重大な副作用は少ないのが、これらの薬の特徴です。
ただ、ビスホスホネートは、ごくまれにですが、歯科治療により顎の骨が壊死することがあります。
歯科治療を受けるときには、ビスホスホネートを使用していることを伝えておくことが必要です。