先天性アンチトロンビン欠乏症

今さら聞けない先天性アンチトロンビン(AT)欠乏症のあれこれ

https://www.jbpo.or.jp/med/jb_square/cad/contents/01/

先天性アンチトロンビン(AT)欠乏症は、血液凝固制御因子であるATの先天的な量的/質的異常によって血栓症発症リスクが高まる疾患で、平成29年には指定難病327となった。しかしながら、本疾患はまれであり、診断や治療は容易ではない。

 

・血栓症の急性期には凝固制御因子活性が低下しているため、活性測定は繰り返し行う

・小児は肝臓が未発達のため、成人に比べて活性値が低下していることを念頭におく

・後天的に活性が低下する病態と薬剤を十分理解しておく

・直接経口抗凝固薬(DOAC)内服時は、AT活性が偽高値となる場合がある

・用いている活性測定法の特性を理解しておく

・家系内に活性低下が観察されることは、診断する際の重要な事項となる

 

<コメント>

先天性アンチトロンビン(AT)欠乏症のため、上腸間膜静脈血栓症を起こし手術をされ、現在は直接経口抗凝固薬(DOAC)を内服中の方が発熱で来院されました。

教科書では習っていても、臨床現場で実際に、こういった稀有な疾患に遭遇すると、身が引き締まる思いがします。臨床医は一生勉強です。(患者さんが先生です)